横 川

 横川は本堂にあたる横川中堂を中心とする区域です。
西塔から北へ4キロメートルほどのところにあり、元三大師に由縁する「おみくじ発祥」や「お漬物(定心房)発祥」の地として知られます。恵心僧都が『往生要集』を書き記した場所であるので、比叡山浄土教が大成された場所でもあります。

横川中堂

 横川の本堂にあたるのが、この横川中堂です。遣唐使船をモデルとした舞台造りで全体的に見て船が浮かんでいる姿に見えるのが特徴です。お堂の中央部が2メートル程下がっていて、そこに本尊・聖観音菩薩(慈覚大師作と伝えられる)が祀られています。
現在の建物は昭和46年に再興された建物です。

四季講堂(元三大師堂)

 慈恵大師・良源[またの名を元三大師]の住居跡と伝えられる元三大師堂は、康保4年(967年)、村上天皇の勅命によって四つの季節ごとに法華経が論議されたことから四季講堂とも呼ばれています。
 現代のおみくじの形は、慈恵大師・良源が考え出したと言われており、この元三大師堂はおみくじ発祥の地となります。 ここでは、角大師(つのだいし)のお姿を授与していて、魔除けの護符になっています。

根本如法塔

 慈覚大師・円仁が、根本杉の洞の中で始めた如法写経にちなみます。塔中には、数々の仏教経典を書写したものを納めて長く後世に伝えるために祈願し、安置しています。現在の建物は大正14年に再興されたものです。

恵心堂

 恵心僧都・源信の旧跡であり、阿弥陀如来を祀り、念仏三昧の道場です。源信はこの恵心堂において『往生要集』や『二十五三昧式』などを著わし、後の浄土宗や浄土真宗などの源となる日本浄土教の基礎を築きました。
※恵心堂は内部非公開です。